東京は下町・深川。
街角に響く町工場の機械音・・・。
いかにも寡黙そうな老人(深水三章)が黙々と旋盤に向かっている。
彼が作る「部品」は世界中の精密機器パーツとして採用されている。
「世界を支えている」その事実が人生で得た唯一の「誇り」なのだ。
男(木村龍童)が老人に仕事を発注するようになって10年。
誰にも心を開かない老人が、唯一心を許す男。
長い月日の中で、二人が築いた親子の様な信頼感・・・。
しかし、男には誰も知らない別の顔があった。
男が老人に発注しているのは「拳銃」の部品「バレル」
そうとは知らず、老人は今日も黙々と「誇りある仕事」に打ち込むのだった・・・。
闇を抱えた男と孤独な老人、自分の居場所を失った女(北条ナオ)
薬物の売人(岡 慶悟)、街を支配する狂気の悪党(荒金蔵人)・・・
それぞれの人生が交錯する時、物語は破滅へと向かう・・・。
人間の内側にある暴力と正義、何が正しくて何が悪なのか?
今、失われつつあるもの、今こそ守らなければならないものとは・・・?
下町・深川を舞台に、現代社会が抱える様々な「日常に潜む悪」を
失われつつある「古き良き日本文化」や「下町人情」などと
対比しながら丁寧に描く、切なくも壮絶な人間ドラマ!