【日本一コルトガバメントの似合う男】
そんな男に出会ってしまったのだから仕方がない。
だからこそ、生まれるべくして生まれたこの映画『Barrel』
初めて「木村龍童」を見たのは渋谷の街角だった。
ダークスーツにサングラス。 大男が虚空を仰ぎながら、ゆっくりと歩いてくる。
やべぇ。
怖そう。
絶対ポカしたら怒声とともに殴られる!
それが正直な第一印象であった。
ところが、、、 (その時僕は、カメラマンとして参加していたのだが) 実際に撮影に入ると、これがなんと素敵なジェントルマン。 物腰の柔らかい低いトーンの声で、気持ちのよい接し方をしてくれる。
人を見かけで判断してしまったことを反省しつつ、カメラを回す。
で、その時、さらに感じたこと。
呼吸が同じなのだ。
カメラ側の呼吸。 役者側の呼吸。
気持ちいいくらいシンクロする。
カメラを回してて、楽しい。
たぶん、目指している方向性、タイミング、ニュアンス、、、 それらがきっと同じ方向を向いてるんだな、と感じた。
その3年後、龍童さんから、アクション映画風のMVを撮りたいと。
お互いにアクション映画は大好きということは、もう既知の事実なので「ホイホイ、やりましょう〜」となり「龍童さん殺し屋で〜銃撃ちまくる〜 銃撃つなら僕の大好きなコルトガバメント〜」
そんな感じで、即撮影。
衣装はもちろん、渋谷で初めて会ったときの、あの印象のままお願いした。
現場で、龍童さんに銃を構えてもらう。
そこで思ったのです、
この人、日本一コルトガバメントが似合う俳優ではないだろうか?
ガバメントを握ったときの安定感がハンパないのだ。
やべぇ。銃と一体化してる、、、
違和感ない、、、
そこで決心しました。
「木村龍童」のGUNアクション映画を、この時代に残す、と。
僕の中では、本当にそういう理由から生まれたのが、この「Barrel」なのです。
そして、、、いちばん大切なことは、龍童さんが「映画を作る」という環境を作ってくれたこと。 さらにそれを「スタート」させてくれた、ということ。
「Barrel」
今まさに、完成に向けての産みの苦しみ。。
どんな映画になるのか、、、僕自身も今、楽しみの真っただ中なのである。
監督 小野浩嗣